DTPデザイナーからWEBデザイナーへの転職は、難しくない
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更新日:1 日前
まず最初にお伝えしておきたいことがあります。
この記事は、DTPデザイナーがWEBデザイナーへ転職する具体的なノウハウを解説するものではありません。
私自身の経験と、今のWEB業界の状況を踏まえながら、「本当に不安に思う必要があるのか」、「どこを目指せばいいのか」、その視点を共有したいと思い書きました。
DTPという世界で戦ってきた同志へ。
そして、新たなチャレンジをしようとしているみなさんへ。
この文章が、ほんの少しでも背中を押すきっかけになれば幸いです。
私について

私は約25年前、グラフィックデザインの世界に入りました。
当時勤務していた会社では、折込チラシや紙媒体広告の制作を中心に携わっていましたが、その後、インターネットの普及により広告の主流はWEBへと移り変わっていきました。
時代の変化を感じる中で、私自身も新たな挑戦を決意し、WEB制作の分野へと舵を切ることにしました。
WEB制作会社に転職後は4年間、現場での経験を通して基礎から実践までを学びました。
その後独立し、現在に至ります。
WEB業界への不安

私と同じく、紙媒体中心の広告業界からキャリアをスタートした同世代や後輩世代のデザイナーの方々から、WEB業界へ進みたいと思いながらも、環境やタイミングに恵まれず、現在も紙媒体を中心に活動しているという声を耳にすることがあります。
DTP業界は年々縮小傾向にあり、制作案件の単価も下がり続けています。
紙媒体そのものの需要が減っている中で、将来に対して漠然とした不安を抱えるのは当然のことだと思います。
不安はある、変わらなければいけない気もしている、、、それでも、WEB業界への転職を考えた時、どうしても「今からでは遅いのではないか?」という考えから強いブレーキがかかってしまうのではないでしょうか?
それは、私と同じ世代の方であればなおさらです。
「もう40歳も超えているし、若くはない」、「今からWEBの新しい技術を覚える自信がない」そんな思いが頭をよぎり、「遅いのではないか」という不安につながっていきます。
しかし、ここに、大きな誤解があります。
WEB制作は、すべてを一人で抱える仕事ではありません。
デザインとコーディング(htmlとCSSを使っての構築作業)は基本分業です。
つまり、コーディングができなければWEBに関われない、というわけではないのです。
そして、皆さんが散々使ってきたイラストレーター、この慣れ親しんだアプリが、そのままWEBデザインの制作現場でも使えます。
デザインをするために、新しいアプリが使えるようになる必要はありません。
また、WEBから入ったデザイナーの方よりも、紙で基礎を叩き込まれてきたみなさんの方が、デザイン能力に関して大きな強みを持っているのです。
今のスキルで十分通用する世界
もう少しかみ砕いて話をします。
デザインとコーディングは分担作業

WEB制作というと、「デザインもコーディングも全部できないといけない」と思われがちです。
ですが、実際の制作現場では分業が基本です。
デザイナーは、レイアウトやビジュアル、世界観を設計する役割。
コーダー(コーディングエンジニア)は、それをブラウザ上で正しく動かす専門家です。
それぞれに役割があり、すべてを完璧にこなせる必要はありません。
もちろん、コーディングの知識があるに越したことはありません。
基本を理解していれば、コーダーにとって親切なデザインデータを渡すこともできます。
しかし、「デザインからコーディングまで、すべてを一人でやらなければならない」というのは思い込みです。
WEB制作は分業が基本です。
デザイナーとして関わるのであれば、コーディングに関しては基礎知識を理解しておく程度でも十分に通用します。
なにより、私自身も、WordPressを細かくカスタマイズしてすべてを一人で完結させろと言われたら正直難しいです。
私は、特別なエンジニアではありません。
みなさんと同じ、DTPデザイナーから転職した、WEBデザイナーなのです。
イラストレーターでデザイン可能

一昔前のWEBデザインは、ボタンにグラデーションをかけたり、光沢をつけたりと、装飾的な表現が主流でした。
Photoshopで細かなビジュアルを作り込むことが求められ、DTPで写真加工に使っていたソフトを“デザインツール”として使いこなす必要がありました。
私がWEB業界に入った頃もまさにその時代で、正直、イラストレーターでレイアウトしてきた身としては、かなり苦労しました。
スムーズに扱えるようになるまで、数か月はかかったと思います。
しかし、現在のWEBデザインは大きく変わっています。
フラットでシンプルなデザインが主流となり、チラシを作る感覚に似ています。
そのため、イラストレーターで十分デザインできるのです。
また近年では、イラストレーターで制作したデザインデータをもとにコーディングできるコーダーの方も増えてきています。
そのため、WEBデザイン専用の新しいアプリ(FigmaやXDなど)を一から完璧に覚えなければならない、というわけではありません。
イラストレーターを使った制作でも、十分に現場で通用します。
※WEB会社への転職を希望される方は、Figmaが使えると選べる会社も増えます。
イラストレーターで、ウェブデザインのコツをつかんでから、Figmaへ移行するのも方法です。
DTP出身のデザイナーがもつ強み

現在のWEBデザインは、装飾よりもシンプルさが求められる時代です。
だからこそ、写真や文字をどう美しく配置するかという“基礎力”がより重要になっています。
フォントの選択、文字組み、余白の取り方。
これらはまさに、DTPで長年培ってきた技術と感覚です。
確かにWEBにはスクロールという概念があります。
DTPはA4など限られた空間の中で完結させる設計ですが、WEBは縦に伸びていく構造です。
この感覚には慣れが必要です。
しかし、空間を美しくレイアウトする力そのものは、本質的に変わりません。
その土台を持っているという点で、DTP出身のデザイナーには大きな強みがあります。
コーディング以上に重要なこと

とはいえ、まったく努力がいらないわけではありません。
経験したことのない世界に飛び込む以上、がんばるべきところももちろんあります。
それは、新しいコーディング技術を完璧に覚えることではありません。
また、難しい操作を身につけることでもありません。
本当に大切なのは、“提案力”です。
WEBサイトは、ただデザインして終わりではありません。
紙媒体の制作では、例えばチラシであれば、多くの場合クライアントが用意した原稿や構成をもとに、それを整理し、読みやすく、美しく組み上げることが主な役割になります。
もちろんチラシも立派な訴求ツールです。
しかし、A4という明確なサイズの中で完結するため、クライアント側も「どんな内容を入れればいいか」を比較的イメージしやすいという特徴があります。
みなさんも、チラシを制作する際、「どのように訴求するか」というところまで深く意識してデザインしてきたでしょうか。
もちろん意識している場面もあったと思います。
けれど実際には、「いかにカッコ良く見せるか」「いかに美しく整えるか」そこに重心が置かれることが多かったのではないでしょうか。
少なくとも、私自身はそうでした。
与えられた情報を、より洗練された形に仕上げる。
その完成度を追い求めることに、誇りを持っていました。
余談ですが、こんな言葉をかけられたことはないですか。
「それは、自分の“作品”ではないよ」と。。
デザインは自己表現ではなく、あくまでクライアントの目的を達成するための手段。
その事実に、どこかで薄々気づきながらも、“作品づくり”の意識が抜けきらなかったのではないでしょうか。
一方、WEBは違います。
そもそもクライアントは、何を載せるべきか、どう見せるべきか、どの順番で伝えるべきか、、、WEBの構成も含め分からないことがほとんどです。
だからこそ必要になるのが“提案力”です。
WEBデザイナーは、単に与えられた素材を整える存在ではなく、どのような内容を打ち出すべきか、誰に向けて、どの順番で伝えるべきか、どんな導線設計が成果につながるのかそこまで踏み込んで考える役割を担います。
DTPデザイナーが「与えられた情報を美しく整えるプロフェッショナル」だとすれば、Webデザイナーは「訴求設計そのものを構築するプロフェッショナル」です。
これは優劣ではなく、仕事の重心が違うということです。
そしてこの“重心の違い”こそが、WEBへの転身で最も大きな意識変化となるのです。
また、クライアントの売上や目的を考え、訴求まで踏み込んだ提案ができるようになると、不思議と“作品づくり”という意識は薄れていきます。
デザインは自己表現ではなく、成果を生むための手段なのだと実感するからです。
※訴求設計やサイト構成については、デザイナーではなく、いわゆるWEBディレクターが担うケースも少なくありません。
しかし私は、その領域も含めて、WEBデザイナーが十分に対応できる範囲だと考えています。
むしろ、その部分まで補えるWEBデザイナーこそが、これからの時代に強い存在になると考えております。
AIは商売敵ではなく、最強のパートナー

AIの進化が止まらない今、「自分たちの仕事はなくなるのではないか」そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
「これから挑戦しようとしているWEBの世界が、AIによって瞬時に代替され、仕事そのものが消えてしまうのではないか。」そう考えると、一歩を踏み出すのが怖くなるのも無理はありません。
では仮に、AIを使って誰でも簡単にWEBサイトが作れる時代になったとします。
果たしてクライアントは、本当に“自分で”WEBサイトを作れるのでしょうか。
結論から言えば、それは決して簡単な話ではありません。
なぜなら、まずWEB制作の本質は「作ること」ではなく、「何を、どう伝えるかを設計すること」だからです。
そして、何よりも重要なことがあります。
それは、“限られた時間”です。
例えば、AIツールを使いウェブサイトを作成できたとしても、そこには、プロンプト(AIへの指示)を考える手間があります。
どんなサイトにするか、AIとの対話が必要となり、時間も要します。
しかし、多くのクライアントには本業があります。
本来集中すべき仕事があり、そのために時間を使うべき立場です。
そこを補うのが、私たちの役割です。
すべてを自分でできることは理想かもしれません。
しかし時間は有限です。
自分がやるべきことに集中し、それ以外は専門家に任せる。
これは昔から変わらない原則です。
AIは商売敵ではありません、強力なパートナーなのです。
例えば、ラフデザインの段階で、「ここに文章が入ります。」「この文章はダミーテキストです。」と入れるのと、コンセプトに沿った文章がすでに入っているのとでは、提案するラフデザインの質は大きく変わります。
それがたとえChatGPTの補助によるものであったとしても、クライアントにとって重要なのは、“誰が書いたか”ではなく“内容の質”です。
具体的な文章案を提示できれば、そのまま採用されることもありますし、「もう少しこうしたい」という修正指示も出しやすくなります。
「文章はそちらで考えてください」と丸投げするのとでは、提案するラフデザインのレベルがまったく違います。
ただし、その前提となるのがサイト構成の設計です。
どの順番で情報を伝えるのか、どんなブロックが必要なのか。
もちろんAIも構成案を出すことはできます。
しかし、その案が本当に目的に合っているのかを判断し、整理し、形にするのは私たちの役割です。
AIは様々な素材を作ってくれます。
ですが、それらをどう組み合わせ、どんなストーリーで見せるのか。
最終的な設計の質は、AIを使う側、つまり我々の視点に大きく左右されます。
扉を開けるかどうか

色々とお伝えしてきましたが、本当はまだまだ話したいことがあります。
「ウェブサイト設計の具体的なコツ」、「提案の組み立て方」、「最低限身につけておくべき知識」など、どちらかと言えば、より実践に近い内容です。
ただ今回は、DTPからWEBへ挑戦することに対して、そこまで恐れる必要はないということ、そして決して遅くはないということ、その一点をお伝えしたくてお話しました。
扉を開けるかどうかは、最後は自分次第です。
もし開けた先でうまくいかなければ、また戻ってきてもいい。
でも、開けずに終わってしまうことは、後悔しか残しません。
WEB制作は、大きな初期投資が必要な世界ではありません。
パソコンがあれば始められる。
そして、違うと思えば、いつでも立ち止まれる。
だからこそ、必要以上に気負う必要はありません。
私自身も、最初は怖かった一人です。
当時、色んな不安を抱えながら、それでも一歩を踏み出したことを思い出しました。
だからこそ言えます。
挑戦は、思っているほど大げさなものではありません。
最後に
今後、もし機会があれば、実際同志のみなさんにお会いしてお話もしたいという構想はあります。
その場で、色んな方々と出会い、新しいコミュニティーが生まれ、仕事などで繋がることができれば最高です。
そんな日を夢見て私もがんばりますので、またそのような時期がくれば、このサイトでお知らせできればと思っております。
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RESISTANCE DESIGN(レジスタンス・デザイン)
レジスタンス・デザインは、滋賀県大津市にて、ホームページ制作をメインにお仕事をさせていただいております。
ウェブに関すること、植物に関すること、何かこいつと面白いことできるかもしれないと思われた方は、お気軽にメールフォームにてお問い合わせください。
代表/横山 昌史(Masashi Yokoyama)

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